短編オリジナル小説「リピート」僕はいつもこの屋上から、少し先のマンションの一室を眺めている。 顔を赤らめて暴力をふるい続ける男。 ボロ雑巾のようになりながらも、必死に子供をかばい続ける女。 泣き叫び、怯え続ける少女。 彼女達は知っている。 暴力には、決して敵わぬことを…… ……僕も、知っている。 力の前では、無力なことを。 【リピート】 4時間目の終了を告げるチャイムが鳴る。 教師が出て行くと、たちまち教室中に楽しそうな声が広がる。 お弁当を持ち寄って楽しそうにしてる者、学食に急いで向かう者。 僕はそっと教室を出た。 ……そこに、僕の居場所はないから。 ボサボサの髪にボロボロの制服、ひどい体臭。 当然僕は皆に嫌われている。 「ラフレシア」「動く生ゴミ」「こっち見るなよ」「最低」「学校来るなよ」 ひどいいじめもいっぱい受けた。 最近は、ずっと無視されている。 僕なんていないかのように。 でも、僕は毎日学校に来ている。 家と比べると、学校の方がマシだったから。 家は……あの人の家は、僕達にとって地獄だった。 毎日家にいて、浴びるように酒を飲み、暴力をふるい続ける父。 家に帰ってこない母。 でも、昔は兄さんがいたから頑張れた。 僕ら兄弟はずっと支えあって生きてきたのに……。 ある日突然、兄は姿を消した。 地獄に僕だけを残して……。 毎晩失神するまで殴られて、学校へ行っても全員に無視される。 繰り返し。同じコトの繰り返し。 僕はいつものように屋上で、あのマンションを見ている。 毎日、僕と同じように繰り返されている光景。 でも、今日はいつもと少し違ってるように感じる。 男の姿が見えた。 手には……鋭利な刃物が握られていた。 「どうにかしないと……」 このままでは、全員死んでしまう。 ……でも、僕は何も出来ない。 それでも女は、男から少女をかばうように立ち続けている。 その時、僕は少女と目が合った。 “ タ ス ケ テ ” 僕は、屋上から飛び出した。 マンションの前に、パトカーが止まっている。 そこには、泣きじゃくる少女と女がいた。 隣人が通報した警察によって、間一髪のところで助かったらしい。 僕は、そっとその場を去った。 「助けて……」 血で染まる床を見ながら呟いた。 知っている、助けてくれる人は……もういない。 父は兄の体から包丁を抜き取り、ゆっくりと僕の方へ近づいてくる。 「助けて……誰か助けて……」 僕は後ずさる。 手に、何かが当たった。ハサミだった。 僕は頭が真っ白になり、父に突っ込んで行った。 「―――――――――」 視界が赤く染まった。 ハサミは、父の喉に刺さった。 そして…僕のお腹からも、熱い血液がドクドクと流れ出ていた。 あのマンションの部屋には、もう何もなくなった。 僕は……いつものように、父のいる家へ帰る。 “生”と“死”の境界って何なのだろうね。 まぁ、いいや。僕には関係ない。 僕は、同じコトを繰り返す。 ずっと、永遠に…… <END> ☆あとがき☆ こんわんば☆お久しぶりでも、ももちゃんですb めっちゃ久しぶりに執筆しました^^ …久しぶりすぎて、書きたいことが書きあらわせれたない>< とりあえず、ケータイのメモを開いたらこのネタがあったから、書いてみました;; 私には珍しい、オリジナル小説ですvv 自分的には、結構こういう系の話が好きなんですよね^^ 落ちがある話…みたいな?? …すみません、判りやすい落ちで>< 以下、本文ネタバレを含むので、絶対に本文を読んだあとに読んで下さいね>< えっと、判りにくいかと思うので一応書きますが……。 主人公は、死んでいます。 父も兄も死んでいます。 幽霊なのは、主人公と父ですね^^; また何かちょっとずつでも良いから小説書きたいなぁ~;; 感想とか指摘とか色々してくれるとすっごい嬉しいです><;; ではでは、乱文失礼しました☆ ももちゃんでした^^ 追記 ご指摘があったので、解説という名の言い訳(ぇ)を… 【ある日突然、兄は姿を消した。】 この部分ですが、“僕”はあの日のことをなかったことのようにしてるので、この“ある日”とは自分が殺された日を示しています。 彼の中では、“あの日”はなかったことになってるんですよ、認識はしてるけど、わざと深く考えないようにしてる… 疑問に持たないようにしてる。 自分の心を守るために…… って感じです^^;; 文章力なくて、すみません>< ジャンル別一覧
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