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☆ももちゃん奮闘記☆

☆ももちゃん奮闘記☆

短編オリジナル小説「リピート」











僕はいつもこの屋上から、少し先のマンションの一室を眺めている。

顔を赤らめて暴力をふるい続ける男。

ボロ雑巾のようになりながらも、必死に子供をかばい続ける女。

泣き叫び、怯え続ける少女。




彼女達は知っている。

暴力には、決して敵わぬことを……





……僕も、知っている。

力の前では、無力なことを。









【リピート】











4時間目の終了を告げるチャイムが鳴る。

教師が出て行くと、たちまち教室中に楽しそうな声が広がる。

お弁当を持ち寄って楽しそうにしてる者、学食に急いで向かう者。

僕はそっと教室を出た。

……そこに、僕の居場所はないから。







ボサボサの髪にボロボロの制服、ひどい体臭。

当然僕は皆に嫌われている。

「ラフレシア」「動く生ゴミ」「こっち見るなよ」「最低」「学校来るなよ」

ひどいいじめもいっぱい受けた。

最近は、ずっと無視されている。

僕なんていないかのように。

でも、僕は毎日学校に来ている。

家と比べると、学校の方がマシだったから。





家は……あの人の家は、僕達にとって地獄だった。

毎日家にいて、浴びるように酒を飲み、暴力をふるい続ける父。

家に帰ってこない母。

でも、昔は兄さんがいたから頑張れた。

僕ら兄弟はずっと支えあって生きてきたのに……。

ある日突然、兄は姿を消した。

地獄に僕だけを残して……。













毎晩失神するまで殴られて、学校へ行っても全員に無視される。

繰り返し。同じコトの繰り返し。





僕はいつものように屋上で、あのマンションを見ている。

毎日、僕と同じように繰り返されている光景。

でも、今日はいつもと少し違ってるように感じる。

男の姿が見えた。

手には……鋭利な刃物が握られていた。

「どうにかしないと……」

このままでは、全員死んでしまう。

……でも、僕は何も出来ない。

それでも女は、男から少女をかばうように立ち続けている。

その時、僕は少女と目が合った。





“ タ ス ケ テ ”



僕は、屋上から飛び出した。



























マンションの前に、パトカーが止まっている。

そこには、泣きじゃくる少女と女がいた。

隣人が通報した警察によって、間一髪のところで助かったらしい。



僕は、そっとその場を去った。





















「助けて……」

血で染まる床を見ながら呟いた。

知っている、助けてくれる人は……もういない。

父は兄の体から包丁を抜き取り、ゆっくりと僕の方へ近づいてくる。

「助けて……誰か助けて……」

僕は後ずさる。

手に、何かが当たった。ハサミだった。

僕は頭が真っ白になり、父に突っ込んで行った。



「―――――――――」



視界が赤く染まった。

ハサミは、父の喉に刺さった。



そして…僕のお腹からも、熱い血液がドクドクと流れ出ていた。































あのマンションの部屋には、もう何もなくなった。





僕は……いつものように、父のいる家へ帰る。











“生”と“死”の境界って何なのだろうね。







まぁ、いいや。僕には関係ない。



















僕は、同じコトを繰り返す。











ずっと、永遠に……
















<END>






☆あとがき☆

こんわんば☆お久しぶりでも、ももちゃんですb
めっちゃ久しぶりに執筆しました^^
…久しぶりすぎて、書きたいことが書きあらわせれたない><
とりあえず、ケータイのメモを開いたらこのネタがあったから、書いてみました;;
私には珍しい、オリジナル小説ですvv
自分的には、結構こういう系の話が好きなんですよね^^
落ちがある話…みたいな??
…すみません、判りやすい落ちで><



以下、本文ネタバレを含むので、絶対に本文を読んだあとに読んで下さいね><



えっと、判りにくいかと思うので一応書きますが……。
主人公は、死んでいます。
父も兄も死んでいます。
幽霊なのは、主人公と父ですね^^;


また何かちょっとずつでも良いから小説書きたいなぁ~;;





感想とか指摘とか色々してくれるとすっごい嬉しいです><;;
ではでは、乱文失礼しました☆
ももちゃんでした^^

追記
ご指摘があったので、解説という名の言い訳(ぇ)を…
【ある日突然、兄は姿を消した。】
この部分ですが、“僕”はあの日のことをなかったことのようにしてるので、この“ある日”とは自分が殺された日を示しています。
彼の中では、“あの日”はなかったことになってるんですよ、認識はしてるけど、わざと深く考えないようにしてる…
疑問に持たないようにしてる。
自分の心を守るために……

って感じです^^;;
文章力なくて、すみません><


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